多のう胞性卵巣(PCOS)への鍼灸の効果
多嚢胞性卵巣症候群とは
卵巣の中で卵胞が育つものの排卵には至らず、
卵巣内でたくさん溜まってしまい排卵が上手く起こらないという、
不妊の原因の一つにもなるものです。
診断は卵巣の超音波エコーやホルモン負荷試験で行われ、
ホルモン検査では血液中の黄体化ホルモン(LH)が
卵胞刺激ホルモン(FSH)より過剰であるという特徴があります。
卵胞内で作られる男性ホルモン(テストステロン)も
増えるため、しばしば多毛などの症状も見られます。
≪PCOSの主な症状≫
①排卵が起こりにくいため、月経不順や無月経
②毛深くなる
③肥満
④黄体ホルモン不全のため、月経過多や出血が止まらないなど
ある研究では
PCOSの患者さんの30%に上記の症状がみられ、
75%が肥満であると報告されています。
悩まれている方も多い
多嚢胞性卵巣症候群ですが
鍼灸ではどのようにアプローチするのか?
まずはホルモンの中枢である視床下部への
アプローチを鍼灸では行います。
主に後頭部から首回りの筋緊張を取ります。
また局所へのアプローチとして下腹部のツボを取り、卵巣内の血流を良くしていきます。
ご自分でケアできることとしては砂糖の摂取を控えることです。
多嚢胞性卵巣症候群とインシュリン(血糖値を下げるホルモン)が
関係しているという説が有力とされています。
インシュリンが上昇すると男性ホルモンも上昇してしまうとの研究報告があります。
インシュリンは血糖値を下げるために出てくるので、
日頃から血糖値を急激に上げないための
心がけとして、砂糖の制限を行うことが重要です。
特に白砂糖を控えましょう!
本八幡鍼灸院
院長 峯岸里美